薬物乱用のない社会を!!

公開日 2023年11月02日

更新日 2024年02月17日

規制されている主な薬物

覚醒剤

【形状・俗称等】

主に白色の粉末や無色透明の結晶。無臭でやや苦みがあります。俗に「シャブ」、「クスリ」、「S(エス)」、「スピード」、「ヤーバー(錠剤型の覚醒剤)」等と呼ばれています。

【使用方法】

覚醒剤の水溶液を注射する方法が一般的ですが、粉末を火であぶって煙を吸う、飲物に入れて飲むといった方法もあります。

【作用】

神経を興奮させ、眠気や疲労感がなくなり、頭が冴えたような感じになります。しかし、効果が切れると、激しい脱力感、疲労感、倦怠感に襲われます。

覚醒剤は、特に依存性が強く、使用を続けると、“壁のしみが人の顔に見える”、“いつもみんなが自分を見て悪口を言っている”、“警察に追われている”、“誰かが自分を殺しに来る”などといった幻覚や妄想が現れるほか、時には錯乱状態になって、発作的に他人に暴行を加えたり、殺害したりすることがあり、このような症状は、やめても長期間にわたって残る危険性があります。

また、大量の覚醒剤を摂取すると、急性中毒により、全身けいれんを起こし、意識を失い、最後には脳出血で死亡することもあります。

 

密売されている結晶状覚醒剤

【密売されている結晶状覚醒剤】

大麻

【形状・俗称等】

乾燥大麻(「マリファナ」、茶色または草色)、大麻樹脂(「ハシッシュ」、暗緑色の棒状又は板状等)、液体大麻(「ハシッシュオイル」、粘着性のある暗緑色又は黒色のタール状の液体)があります。

【使用方法】

通常は乾燥した葉等をキセル、パイプ、水パイプ等を使用して吸煙しますが、そのまま食べる、溶液として飲むなどがあります。

【作用】

一般的には、気分が快活、陽気になり、よくしゃべるようになるといわれていますが、その一方、視覚、聴覚、味覚、触覚等の感覚が過敏になり、変調を来したり、現在、過去、未来の観念が混乱して、思考が分裂し、感情が不安定になったりします

このため、興奮状態に陥って、暴力や挑発的な行為を行うことがあり、さらには、幻覚や妄想等に襲われるようになります。

また、毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態となる「無動機症候群」に陥ることもあります。

違法栽培された大麻
違法栽培された大麻
大麻の花穂(バッズ)
大麻の花穂(バッズ)

液体大麻

【液体大麻】

MDMA・MDA

【形状・俗称等】

MDMAは、本来は白色粉末ですが、様々な着色がされ、文字や絵柄の刻印が入った錠剤の形で密売され、俗に「エクスタシー」等と呼ばれます。

MDAは、白色粉末で、俗に「ラブドラッグ」等と呼ばれています。

【作用】

MDMAとMDAの薬理作用は類似しており、視覚、聴覚を変化させる反面、不安や不眠などに悩まされる場合もあります。

また、強い精神的依存性があり、使用を続けると錯乱状態に陥ることがあるほか、腎・肝臓機能障害や記憶障害等の症状も現れることがあります。

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MDMA
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MDA

向精神薬

向精神薬は、中枢神経系に作用して、精神機能に影響を及ぼす物質で、その薬理作用によって鎮静剤系と興奮剤系に大別されます。

【作用】

向精神薬は、ほとんどが医薬品として流通していますが、医療目的から逸脱して使用すると、感情が不安定になる、判断力が鈍くなる、歩行失調になるなど、心身への障害が生じます。

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向精神薬(トリアゾラム)

 

薬物乱用の弊害と法規制

覚醒剤を始めとする薬物の使用により、一時的に頭が冴える、神経が興奮するというような感覚を得たように感じられることがありますが、その後、脱力感や疲労感に襲われ、幻覚、妄想といった症状が引き起こされたり、精神のバランスが悪くなったり、ついには、体の主要な器官に深刻な悪影響を及ぼし、最悪の場合、死に至るなど、精神と身体の両面が破壊されます。

規制される薬物は、中枢神経系に作用することから、使用した時の快感を得たり、薬物の効果が切れた時の苦痛などから逃れるため、薬物による効果を強く求めるようになる「依存性」が形成されます。また、薬物を繰り返し使用しているうちに同じ量では効かなくなる「耐性」が生じます。

「一度だけ」という好奇心や遊びのつもりでも、薬物の依存性と耐性によって、使用する量や回数はどんどん増えていくという悪循環に陥り、自分の意思ではやめることができなくなります。

さらに、使用するのをやめて長期間経った後に、突然、幻覚や妄想等の精神障害が現れるフラッシュバック(再燃現象)が起こることがあります。

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注射痕

社会に与える弊害

規制薬物を使用すると、その薬理作用から幻覚、妄想等の精神障害に陥り、殺人、強盗、放火等の凶悪な犯罪や 重大な交通事故等を引き起こすことがあります。また、薬物の購入資金を得るための犯罪も発生しています。

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放火
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交通事故

薬物乱用に対する法規制

薬物乱用は乱用者本人のみならず、周囲の人、更には社会全体に害悪を及ぼす重大な犯罪です。

覚醒剤、麻薬等の使用、所持などは法律により厳しく禁止されており、違反した者には重い刑罰が科せられます。

【罰則の例】
 ● 覚醒剤の所持、使用・・・覚せい剤取締法 
   (単純)10年以下の懲役
   (営利)1年以上の有期懲役 情状により500万円以下の罰金を併科
 ● 大麻の所持・・・大麻取締法
   (単純)5年以下の懲役  
   (営利)7年以下の懲役 情状により200万円以下の罰金を併科

各種薬物事犯の検挙状況の推移(平成30年から令和4年まで)

各種薬物事犯の検挙状況の推移(平成30年から令和4年まで)

 

高知県薬物検挙状況の推移(平成30年から令和4年まで)

高知県薬物検挙状況の推移(平成30年から令和4年まで)

大麻取締法違反(単純所持)で検挙されたものについて、大麻使用の経緯、動機、認識などを調査した結果

大麻乱用者の実態[PDF:328KB]

 

大麻の危険性

薬物乱用の実態(薬物乱用者の手記)

覚醒剤乱用者(20歳代、男性)

友人から誘われ、安易に手を出した。その過ちは決して消えない。

私は、21歳の夏に覚醒剤に手を出してしまいました。

きっかけは、友人の紹介で知り合ったA君との出会いでした。A君とは、すぐに仲良くなり、毎日のように遊ぶようになりました。

すると、一ヶ月くらいして、A君から「シャブやってみるか」と言われました。私としては、初めてのことで怖い気持ちもあったのですが、「合わなかったら、やめればいい」と安易な気持ちから、A君からの誘いを受け、覚醒剤に手を出してしまったのです。これが私と覚醒剤の出会いでした。

覚醒剤を始めてからは、自分自身がおかしくなっていくのが分かりました。大学にも行きたくなくなり、何もやる気が出ず、眠気すらなく、次第に体も頭も正常でなくなりました。

一番ひどかったのは、3日間飲まず、食わず、寝ず、という時でした。この頃になると、何も考えることができず、ただ苦しかったのですが、この苦しみから逃げるために、再び覚醒剤を使っていました。

そんな時、私がA君とともに、ある友人の家にいたら、警察がやって来たのですが、その後の尿検査により、覚醒剤反応があるということで、私は逮捕されたのです。

それから私は、留置施設での生活が始まり、取調べを受け、大きな過ちを犯したことに気付きました。そしてその気持ちは後悔となり、家族はどうなるのだろう、大学はどうなるのだろう、友人とはどうなるのだろう、とばかり考え、夜も寝付けない毎日でした。

そして私の裁判が始まり、判決結果は、懲役1年6月、執行猶予3年でした。

それからの私は、今までとは違う生活、つまりまっとうな人間らしい生活をしたい、と心に固く誓いました。もうこれ以上、惨めで誰にも相手にされない、薬の奴隷になっていた生活に嫌気がさし、自分自身を変えるつもりでした。

また、これまで通っていた大学の門をもう一度くぐり、友達と勉強したいとも思うようになったのです。大学側も当初は、何とか復学させて、一人前の人間に育てたいとの思いもあったようですが、再犯の恐れや、その場合における大学内での覚醒剤の蔓延化、何より他の学生に対する影響等により、退学処分となりました。

私の裁判が終わった時には、すでに季節は冬となっていました。大学を退学となり、することがなくなりましたが、それでも何もしないよりはマシと思い、冬期間だけの仕事を始め、小さな一歩を踏み出すことができました。

最近は仕事にも慣れ、色々なことを考えるようになりました。今までの私は、とりあえず大学に行く、とりあえず勉強する、とりあえず友達と遊ぶ、そして家でご飯を食べて寝る、というもので、あまり自分自身を振り返ったり、将来の人生について考えたことがありませんでした。

しかし、今回を機に色々と考え、悩み、自分自身で目標をたててみました。その目標とは、「もう一度大学に行き、勉強する」です。私が犯した過ちは、決して消えるものではなく、一生背負っていかなければならないものですが、何か目標を定め、頑張れば、自分自身が変われる気がするのです。

現在の日本では、インターネット等の普及で、覚醒剤が昔より手に入りやすくなったと思います。しかし、そのために自分の人生を破壊し、後悔だけが残ることはやめてほしいです。人間には絶対にやってはいけないことがあるのですが、覚醒剤に手を出す、ということはまさにそのことだと思うのです。壊れた心や体、そして人生は決して元には戻りません。そのことだけは、どうか分かってください。

そして、この世から覚醒剤がなくなるような世界になることを心の底から祈っています。

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覚醒剤乱用者(40歳代、男性)

誘惑に負け、繰り返し使用した覚醒剤。タイムマシンであの頃に戻りたい。

私が、初めて「シャブ(覚醒剤)」に手を出したのは18歳ころの時でした。

当時の私は、毎日、夜中になると友達と一緒にバイクを乗り回す、いわば暴走族に入り、街中を我が物顔で走り回っていました。

その頃、暴走族仲間の間では、シャブにはまっている連中がいて、その連中がシャブを使って快感に浸っている姿を目にして、私も興味半分でシャブを使ってみました。

その後、私は、シャブのとりこになってしまい、金があればシャブを買って使うようになり、金が無い時は、シャブの密売を手伝ってシャブ代を稼ぐという人間として最悪な状態に陥ってしまいました。

シャブを使うと、快感を得ることができるものの、「どうにでもならい。」という投げやりな気持ちになり、仕事に行く気は失せ、夜通し遊び回り、昼間は寝るといった生活状態になります。

私の周りには、シャブ欲しさに、泥棒をしたり人から金を脅し取ったりと犯罪に手を染める者もいて、こうなると、本人の問題では無く、家族にも不幸が降りかかります。

私には、妻と子供が2人いますが、私が、覚せい剤取締法違反で捕まり刑務所に服役している最中、妻からは、面会や手紙で、「あなたがいないと子供が淋しがっている。お父さんは何処へ行ったのと子供ながらに心配しているけど、刑務所に入っているとは口が裂けても言えない。」等と何度も泣きつかれたことがありました。

私は、妻が思い悩む姿を思い浮かべただけで、「シャブからは足を洗おう。まっとうな人生を送ろう。」と心に誓うのですが、嫌なことや悩みを抱えた時に、ふと、「シャブを射って楽になりたい。嫌なことを全て忘れたい。」という思いにかられ、頭の中では、「してはいけない。」と思ってはいても、誘惑に負け、シャブに手を出してしまうことの繰り返しの人生を送ってきました。

経験者でしか分からないことですが、シャブは、本当に恐ろしいもので、一度手を出してしまうと中々シャブから足を洗うことは出来ません。

私自身、刑務所生活を2回送ったことがありますが、刑務所に服役している受刑者の三分の一は、覚せい剤取締法違反で捕まった者達で、反省している者もいれば、出所したら、再び、「シャブを射ちたい。シャブの密売をして金儲けをしたい。」ともくろんでいる者もいます。

私が、刑務所で一緒に生活を送った者の中には、「もう二度とシャブには手を出さない。」と口癖のように呟いていた男が、出所後、一週間もしない内にシャブに手を出し、刑務所に逆戻りした人間もいました。

周りの者から見たら「馬鹿な奴だ。」と思われるかもしれませんが、これがシャブの恐ろしさの一つであり、頭の中では駄目だと分かってはいても、体がシャブを求めるため、結局は誘惑に負けシャブに手を出してしまうのです。

私は、前刑を終え刑務所から出所してきてから、約12年間、仕事に没頭し、家族のことだけを考えて日々生活を送り、シャブから足を洗っていましたが、やはり、ふとしたことで、シャブを使った時の快感が、頭の中に思い浮かび誘惑に負け、半年位前、またシャブに手を出し、再び警察に捕まってしまうことになりました。

裁判が終わり、現在は、家族と一緒に暮らして仕事にも行っていますが、いつ、「シャブを射ちたい。」という気持ちにかられるか考えただけで不安な気持ちになります。

今思えば、18歳ころ、興味半分でシャブに手を出さなければ、こんなことにはならなかったはずです。

タイムマシンが出来て、あの頃に戻れるのであれば、私は、「シャブなんかしてもいいことは一つもない。」と言って、自分自身に説教してやります。

それぐらい、私はシャブに手を出してしまったことを後悔しています。

現在、私は、「今度こそはシャブから足を洗おう。」と心に誓い、悩みごとには逃げずに立ち向かい、仕事にも身を入れながら日々生活を送っています。

今まで、家族に私のことで不安を抱かせたことを反省し、今後は、妻や子供の将来を考えて真面目に生きたいと思っています。

最後になりますが、興味半分でシャブに手を出すことだけは、絶対にやめて下さい。

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NO! 薬物「運び屋」

「運び屋」への誘いに乗らない

薬物犯罪組織等は、知人の紹介、元同僚、学校時代の先輩・後輩等、あらゆる人間関係を利用して「運び屋」になるように誘ってきます。

違法な薬物には絶対に関わらない

薬物「運び屋」は、重大な犯罪です。日本でも外国でも重い罪で厳しく処罰されます。

不用意に他人から荷物を預からない

他人から預かった荷物でも、自分の携行品の中身については責任を問われます。

「知らなかった」、「分からなかった」ではすみません。

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