公開日 2014年12月25日
更新日 2024年04月05日
軽トラックを使用した車両落下による衝撃再現実験
平成26年9月26日に高知県南国IC内にある訓練施設(模擬高速道路)で交通安全教室が開かれました。
そのメインとなる実験の動画を公開します。
この交通安全教室では、衝撃再現実験として実車(廃車)を使っています。
実際に走行させて衝突させるのではなく、クレーン車で吊り上げ、落下させることでその高さにより衝突時の衝撃を再現する実験を行いました。
まずは、実際に行われた映像をご覧ください。
この実験では、軽四トラックを落下させています。
高さは、地上6メートルです。
この高さは、時速40キロメートルで走行し壁に衝突した際の衝撃と同等の衝撃力になります。
その衝撃で前部だけでなく、後部の荷台までも変形したのが見て取れます。
損傷状況を見てみましょう。
軽四トラックの前部と後部の荷台の状況が撮影されています。
前部の運転席と助手席は、人が乗っていれば、足が挟まれてしまうだけでなく、体を車内で潰されかねないほど衝撃によって突き込み、変形してしまっています。
また、後部の荷台は曲がってアーチ状になっています。
この実験は 高さ6メートル = 時速40キロメートル と同等の衝撃の再現実験でした。
軽四乗用車を使用した車両落下による衝撃再現実験
続いて、軽四乗用車を利用し、今度は高さ14メートルまで吊り上げ落下させます。
こちらの映像では、フロントガラス等が激しく飛び散っているのがわかると思います。
しかし、先程の軽四トラックと比べると本体の変形は前部のバンパーがつぶれているものの、人の乗車する空間が歪んでいるようには見えません。
この実験では地上14メートルから落下させており、その衝撃は時速60キロメートルで壁に衝突した場合とほぼ同等となりますので、衝撃は先程の軽四トラックを上回るものです。
では、損傷状況を見てみましょう。
前部バンパー等は派手に潰れています。
内部も潰れているのかと思いましたが、実際には人の座っているはずの空間が保たれているのがわかります。
座席周辺の壊れ方を見てみると、運転席、助手席の前側周辺が壊れていますが、座席スペースの歪みは少ないです。
後部は衝撃で、ハッチバックドアのガラスも割れています。
この実験は 高さ14メートル = 時速60キロメートル と同等の衝撃再現の実験でした。
このように、車の形状や速度が速いほど衝突時の衝撃は大きくなります。
全ての座席でシートベルトを着用しましょう
高知県では高速道路の最高速度が時速80キロメートルとなっていますので、この速度で衝突した場合は更に衝撃は大きくなるのです。
その衝撃は8階のビル(約25メートル)から落下した場合と同程度の衝撃と言われており、実に体重の約120倍の衝撃とされています。
今回は実施していませんが、 高さ25メートル = 時速80キロメートル と同等の衝撃力となるのです。
事故は予定して起こるものではありません。
衝突の際車両がスピンした場合、遠心力で車外へ放出されるケースは、後部座席の同乗者が多いと言われています。
ですので、運転の際にはシートベルトを着用し、同乗者にも着用させる習慣をつけましょう。