公開日 2023年11月11日
更新日 2024年01月28日
女性警察官であること
皆さんのイメージどおり、警察は男性職員が多い職場です。
私は、警察官として働く以上、男性・女性関係なく、同じようにパトロールをしたり、交通違反の取締りや事件事故の対応をしたりしなければならないと思っています。
正直にいうと、日々の業務の中で「女性警察官であること」について特別何か気にしていることはありません。
ですが、警察の業務の中には「女性警察官だからこそ」という場面があります。
私が、ある警察署の地域警察官として当直勤務をしていた時のこと、ある性犯罪事件の 110番通報の無線指令を受け、先輩の男性警察官とともに一番に現場へ向かいました。
到着した時、そこには、泣いてはいないものの、どこか不安げで力が入っていないような女の子が座っていました。
そして、先輩から、「女の子から話を聞いてあげて」と指示を受けました。
普段から取扱いの多い交通事故などでは、聞くべき事項がすらすら出てくるのに、まだ事情聴取の経験が浅かった私は、女の子に何を聞けばいいのかすぐには思い浮かびませんでした。
それでも、これまでの研修などで学んだことを必死に思い出しながら、「怪我はないか」「何があったのか」といったつたない事情聴取を行いました。
その後、駆けつけた女性刑事と交代したことによって、事情聴取がスムーズに進み、その内容をもとにした懸命な捜査によって犯人逮捕に至りました。
この事件では、私がその女の子にできた事は少なく、警察官として十分なことができずに悔しい思いをしたのですが、それと同時に、現場での女性刑事の姿を見たことで「女性警察官であること」について考える貴重な経験となりました。
性犯罪やDV、ストーカーなど女性が被害者となる事件は高知県でも起こっています。
そして、地域警察官であれば、刑事などの専務員よりも先に現場に行くことになります。
そういった場面で、自分が「女性警察官であること」は非常に重要であり、自分だからこそ聞ける事、自分だからこそできる事が必ずあると思っています。
まだまだ私は経験不足ですが、自分自身が「女性警察官であること」に意義を見出すことができるよう、今後も努力していきます。
(「宿毛警察署地域課・女性警察官」による投稿)
地域庶務の仕事
私は現在、警察署の地域課で地域庶務という仕事をしています。
地域課は、交番や駐在所で勤務する制服警察官が巡回連絡をしたりパトカーに乗って警らをするイメージがあると思いますが、私が担当する仕事は、書類を集計したり、警察署に来られた方の対応をしたりと、現場に出勤する警察官が活動しやすいようなサポートを行っています。
育児休業
私は、現在働いている警察署に配属されてから、二度育児休業を取得しました。
その間、かわいい時期の子どもたちと長く一緒にいることができ、とても幸せな時間を過ごすことができました。
子どもたちと一緒に私自身も成長でき、育児休業制度のありがたさを感じました。
職場復帰
職場復帰後、初めは仕事と育児が両立できるか不安もありました。
子どもの体調不良で急遽仕事を休んだりすることもありますが、職場では男性・女性ともに「お互い様だよ」と声をかけてくれ、フォローしてくれます。
また、現在の上司は先輩ママでもあり、いろいろと相談にも乗ってくれるので、良い環境で仕事ができ、忙しくも充実した日々を送っています。
仕事をしている上で大切にしているもの
室戸警察署地域課には、三名の女性警察官が居ます。
今回はその三名に、「仕事をしている上で大切にしているもの」について座談会をしてもらいました。
A巡査 『「仕事をしている上で大切にしているもの」って何やろうか?』
B巡査 『やっぱり大切なのは、「社会正義の実現」じゃないろうか』
C巡査 『でも、「社会正義の実現」というのは意味が大きすぎて・・・逆にピンとこないような・・・』
A巡査
『私は「仕事に対して使命感を持つこと」を大切にしているかな。例えば、犯人に立ち向かうときも“被害者のため、市民のため”という気持ちさえあればどんな相手でも立ち向かえるようになる。それが、仕事への使命感やと思う。
警察官にはしんどいことも、つらいことも沢山あるけど、そんなときには初心に返って「使命感」を思い出すようにしてるよ。
これから警察官になる人たちにも、警察官になりたかったころの気持ちを忘れずに、使命感を持った警察官になって欲しいな。』
B巡査
『えいねえ、私は「被害者に対する思い」かな。私たちの仕事は県民・市民の安全な生活を犯罪などから守ることやと思う。
交通事故や犯罪の被害者を作らないためにも、私たちは、管内のパトロールをしたり、交通違反取締りをしたりする。
きっと、交通事故にあわれた方や被害者は、心の中に悔しさや恐怖を抱えていると思う。だから、安心な生活を取り戻すためにも、見せる活動をすることが大切だと思うがよね。
それに、市民・県民の方々から感謝されたときはものすごくやりがいを感じるし!』
C巡査
『私は、「コミュニケーションをとること」を大切にしゆうかな。地域の方とコミュニケーションをとることは、事件の未然防止や事件の解決につながると思うがよね。やき、私は地域の方と話すときは親身になって話をするように意識しゆうね。
巡回連絡に行ったときなんかは聞かないかんことだけ聞いて帰るとかじゃなくて、世間話をしたりとか相手の話を聞くようにしゆう!そういう積み重ねが 地域と警察のつながりになっていくがやと思う。
それと仕事仲間ともコミュニケーションをとるようにしゆうね。この仕事は自分一人でできるようなものやないき、同期や先輩の方と話すようにして、いい仕事ができるように頑張りゆうね。
やき、私は「コミュニケーションをとること」を大切に仕事をしゆう。』
「使命感、被害者に対する思い、コミュニケーション」を胸に秘め、日々業務に励む三名の女性警察官ともども室戸警察署をよろしくお願いします。
(「室戸警察署地域課・女性警察官」による投稿)
○ 地域警察官とは
地域警察官は、警察学校を卒業すると初めに経験する部門です。交番や各警察署の地域課に配属され、地域に密着した警察業務を行います。地域警察官には、交番で勤務している、いわゆる「おまわりさん」、パトカーに乗務し機動力を活かして事故や事件などへ対応する「自動車警ら隊」のほか、駐在所に居住しながら地域の安全を守る活動をする、いわゆる「駐在さん」がいます。
○ 地域警察官の仕事
地域警察官の仕事は、地理案内や遺失物・拾得物の対応や各家庭、事業所を訪問し、意見や要望を聴取して、管内での事件や事故の防止に役立つ情報を発信する巡回連絡、地域行事に参加して防犯教室を実施したり、管内をパトロールして犯罪の予防、検挙、交通の指導や取締り、少年補導などを行います。また、事件や事故が発生した場合、現場へいち早く臨場し対応にあたります。
○ 女性地域警察官としてのやりがい
私は、警察本部の自動車警ら隊員としてパトカーでのパトロールをしながら、事件や交通事故の対応にあっています。パトロールしている時に、不審者を発見した場合や女性ならではの感覚で違和感を感じた場合は、呼び止めて職務質問を実施し所持品検査等を行いますが、男性警察官とは違った優しい声かけや柔らかい雰囲気で話をすることで協力を得られやすくなり、様々な犯罪の検挙や防犯活動に繋がっています。
ある日、私が警察署で勤務している際に、女性から相談を受けました。相談内容は、「少し前から、知らない男の人にストーカー行為をされて怖い。」というものでした。パトカーで女性の自宅へ行き事情聴取をした後、付近をパトロールしていると、不審な男性が物陰から早足に立ち去ろうとしていたため、職務質問を実施しました。すると、その男性が相談のあった女性へのストーカー行為を認めたため、警察署へ任意同行を求め、取調べ等の捜査をした結果、女性からの相談を解決することができました。
その女性は、ストーカー行為を受けているものの、なかなか相談することができずにいて、やっとの思いで相談をしてくれたはずです。男性を警察署へ連れて行ったことを女性に伝えると、「少し安心しました、ありがとう。」と感謝の言葉とともに、不安であった気持ちを少しずつ話してくれました。この事案は、早期に解決しましたが、女性が怖い思いをしたことや心に受けた傷は今も残っています。
女性警察官だからこそ聞くことができる話もあり、そこから事件の解決に繋がったり、地域の方の信頼に応えることができた時には女性警察官として大変やりがいを感じます。1人でも多くの人の力になれるよう、今後も精進していこうと思います。
(「30代・女性警察官」による投稿)
(画像は職務質問のイメージです)